流れ橋
小さい頃、わたしとお姉ちゃんは、いつも同じ髪型をしていた。

二人とも髪の毛一本一本が細く、まっすぐな直毛だった。

お母さんは、無器用で面倒くさいことは、苦手だったので、

わたしとお姉ちゃんは、いつもおかっぱヘアーをしていた。

姉は、大人になるにつれて髪の毛をのばしていたけど、わたしは、中学を卒業するまで、ずっと、おかっぱのままだった。

わたしは、お母さんの面倒くさがりの性格を
譲り受けていたので、
この髪型に抵抗は、全然なく楽でよかった。
ところが、朋子は、この髪型に不満があるらしく、よく忠告をしてくれた。

「伸ばせばいいのに。なんだか、河童みたいで可愛くないよ。」

髪なんて、どうでもいいの。

当時は、ずいぶん朋子の言葉に悩まされていたっけ。

わたしは、鏡ごしに朋子の顔を見ていた。

今では、わたしの髪は、肩まであって今までで、一番長い。

朋子もわたしも、少しずつだけど、変化している。

ずっと、このままがいい。気持ちは、そう思っても、この変化していく流れは、とめられない。そう感じていた。

ずっと、このままではいられない。

わたしは、急に淋しくなった。

わたしは、もっと変わらなくてはいけないだろうか。
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