流れ橋
その日は、朝からとても天気がよかった。

日差しも強くなり、入道雲ができていた。

わたしの熱は、一週間たってから下がった。
今日は、朝から大人達が、小川のゴミ拾いをしていた。

わたしは、まだ、外にでることが許されずいたために、

二階の自分の部屋からその光景を眺めていた。

わたしの部屋の窓から、ちょうど橋がかかっているところが見えるのだが、

橋は、跡形もなく消えていた。小川の周りには、泥だらけになった洋服、食器や本なども見えた。

中には、障子やふすまなんかも散乱していて、水の威力に、ただただ驚いていた。

ふと、わたしの家から小川に続く一本道に目をやった。

アスファルトで固められ、道幅も結構ひろい。車が、通れるほどと言えば、ちと大袈裟だが。

道は、泥や石ころなどがあって、まだキレイに整備されていなかった。

その泥や石ころの間に何か、てかてか光っている。
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