流れ橋
「付き合ってないよ。それに、二人じゃなくて友達も一緒に行くよ。わたしたち、そんなんじゃないから。」

わたしは、慌てて否定した。朋子も「本当だよ。みんなで行くんだから。」と言った。

「へぇ。有川さんは、どこで、彼と知り合ったの？」倉石さんは、信じられないという目をしている。

「同じ中学だったんだよ。倉石さんこそどうして知ってるの？」わたしは聞いた。

「田中くんとは、塾が同じなの。私と田中くん付き合ってるんだけど。」

この言葉に、わたしは固まってしまう。
現在進行形？確か、彼女とは、別れたとか何とか。

なんだか頭の中が、ゴチャゴチャして、考えがまとまらない。

すると、朋子がさっきから固まってしまったわたしのかわりに話だした。

「田中くんは、別れたって。私は、本人から直接聞いたんだ。藍子には、無理に頼んできてもらうんだから。誤解だよ。」

彼女は、朋子の言葉を、まだ、信じられないという顔をして聞いていた。
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