流れ橋
「あなたは、俊のことどう思ってる?」倉石さんは、攻撃姿勢を崩さない。

わたしは、こんなめんどくさいことが本当に嫌い。愛だの恋だの、勝手に自分だけで盛り上がればいい。

わたしを巻き込まないで。心の中で、沸々と怒りが沸き上がっているのを感じる。

世の中には、こんな迷惑を青春のいう言葉の枠にひとくくりする人がいる。

とんでもない。こんな青春、わたしは、いらない。

「めんどくさい。そういうの。」わたしは、呟いた。

「わたしにとっては田中俊なんて、どうでもいい存在なんだけど。帰る。」彼女を無視したまま、わたしは、歩き出した。

怒りが頂点に達していた。こんなことに時間を費やしている場合ではない。勉強しないと。

髪が風で、激しくなびいている。わたしは、向かい風にむかってはや歩きをする。

後ろから、「私も花火大会行くから。」と彼女が叫んでる。

「勝手にすれば。」わたしは、前をむいたまま大声あげていた。
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