流れ橋
電話にでると、お母さんからだった。

「お父さんが目を覚ましたわよ。お父さん、涙をぽろぽろ流して謝ってたよ。」お母さんも少し鼻声だった。

「お母さん、お父さんの遺書があったよ。」わたしは、お母さんに話した。

母は、遺書のことを聞いても落ち着いた様子だった。「きっと、書いてあると思ったわ。お父さん、何もいってなかったけどね。」それから、お母さんは、お父さんの体調がよくなるまで、しばらく入院することを告げた。それと、姉に後で荷物を届けてほしいと頼んで、お母さん自身は、今日は、父の病院に泊まるとのことだった。最後に、「藍子、試験頑張るのよ。」といって電話を切った。

「藍子は、明日テストが終わってから病院においで。」姉は、そういって荷物の準備をはじめた。

「えぇー、わたしも今から行きたいよ。ダメ?」お姉ちゃんに聞いた。

姉は、「ダメだよ。今日は、今から勉強だよ。今年は、赤点とらない約束でしょ。」
< 79 / 201 >

この作品をシェア

pagetop