流れ橋
今から、一ヶ月前ついに、お母さんに仕事が見つかった。

2駅向こうのパン屋でパートして働いている。

今日はまだ、帰ってきてなかった。

「ただいま~」その時、玄関から声が聞こえてきた。

お姉ちゃんが帰ってきた。

わたしには、10歳も年の離れた姉妹がいる。

名前は、有川友里。

市内の図書館で働いている。

そういえば、両親の名前を紹介していなかったっけ。

父、有川俊彦。53歳。母、有川智美。53歳。

二人は、高校の同級生。

そんなこんなで、有川家は、家族4人と犬1匹で生活している。

「藍子、あんた声かけたのに無視したね」

姉が怒っている。

改札口で聞こえた声。
お姉ちゃんだった。

腰に手をあてている。
「何のこと?」わたしは、知らないふりをきめた。

「わざとらしい。もう、いいけど。」

「あんた、いきなりあんなに走って・・」

「目立ってたよ。お姉ちゃん、恥ずかしかった」

わたしは、また汗かいた。

やめてよ。目立ってたなんて。

「ごめん。いろいろあって、余裕なかったから」

わたしは、すっかり落ち込んだ。

姉は、「もういいよ。次からは、やめて・・いい?」

姉は、2階へ行ってしまった
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