流れ橋
しかしこんな、すばらしい眺めなのに、お客は少なかった。

「着いたよ。詳しくは、中で話そうか。」姉は、ゆっくりと車を降りた。

わたしも続いて降りる。「この店、いつも行ってるの?今日は、人が少ないね。」わたしは、いった。

「最近、出来たばかりだよ。この店は、もう少し遅い時間の方が人がくるのよ。」そういって、姉はお店の中に入って行った。

わたしも黙って後に続いた。

お店の中に入ると、中は、全てお座敷になっていた。二階もあるらしく、わたし達は、そこで食べることになった。お店には、老夫婦とアルバイトらしき男性がひとり働いている。

お客さんも2、3人と少なくて、店内は、静かな雰囲気だ。

「お腹すいたね、何食べたい?」姉は、メニュー表をながめていった。

「何でもいいよ。早く食べたい。お姉ちゃんにまかせたよ。」わたしは、めんどくさくなって姉に任せた。姉は、テキパキとそのアルバイトの男性を呼んでメニューを頼んだ。
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