流れ橋
「そうそう、話したいことがあったんだ。ここのお店ね。花火大会の花火が、見えるんだよ。この方角かな?」そういって、暗い海を見ている。
わたしは、花火大会のことをすっかり忘れていた。でも、こんなことがあった後だし、何だか見に行く気がしない。

「そうなんだ。でも、わたしは、砂浜から花火を見る方が好きだな。でも、今年は行くのやめようかな。」

わたしがそういったら、「ダメよ。せっかくなんだし、行ってきなさいよ。朋ちゃんは、どうなるの?お父さんのことは、私達に任せなさい。」姉は、ちょっと怒って見せながら話す。

「わたしは、本当にいいんだ。明日、朋子に理由話すから。お姉ちゃんこそ、行ってきなよ。」

「私は、この後にある市内の花火大会に行く予定があるからいいの。藍子は、毎年この花火大会のこと、すごく楽しみにしてたじゃないのよ。花火、見に行ってもいいかわり、テスト頑張るのよ。分かった?」

わたしは、この後姉に花火大会に行くことを強引に約束させられて、お店を後にした。
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