Dear... Love
あたしは
深呼吸をして
口を開いた
「じゃあ鍵置くね。
ばいばい。」
グッと
腕を急に
引っ張られた。
「行くな。」
「何で?」
「行くなよ。」
この時
悠斗は
自分の痛みを
知っている人なら
きっと誰でも
良かったんだと
思う。
ただ、たまたま
あたしが
悠斗の痛みを
知っていたから
あたしに
言ったんだよね。
「何なの?
悠斗さっきから
勝手すぎるよ?
悠斗が全部
悪いんじゃん!」
あたしは
思ったことを
つい口に出して
しまった。
「…あっ…ごめ」
―ギュッ―
悠斗は
あたしの事を
強く、強く
抱きしめた。
「悠斗…
痛いよ。
痛いってば。」