空はなぜ青いのか
お願いします、と少女が頭を下げる。
駄目だ、全くわかっていない。簡単な気持ちで言うのが駄目なんじゃなくて、簡単に「泊めて欲しい」と言うことが駄目なんだとわかっていない。
これははっきりと言ってやらねばわからないだろう。
「だから・・・そういうのは恋人とかがするものなんだよ!」
「・・・恋人?」
「ああそうだよ!女が男の家に泊まるってのはそういうことなんだよ!別に俺が何かするってわけじゃないけど、そういうのはいろいろと困るって言ってんだ!」
少女から顔を背けてはっきりと言ってやる。
「恋人ならいいんですか?」
「そりゃ、恋人ならそんくらい・・・」
「じゃあ、恋人になってください」
今度こそ時間が止まった。
「え?」
少女が胸の前で手を握り直して、真っ直ぐにこちらを見つめる。
「ちょっと待て、あんた・・・」
「私、あと5日で死ぬんです」

だから、と彼女は続けた。








「私の恋人になってください」








それが俺と彼女の出会いだった。
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