君のために


バンッ――


今度はグーで殴られた。

蹴られたり、
突き飛ばされたり、



「もう、別れよ。」


そう言ったのは翔太だった。


頷いたら負けだと思った。

だから、何も言わずに、翔太が立ち去るのを待った。



遠かった翔太は、近くなり、今は遠ざかっていった。

またひとつ。
恋が終わった。
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