君のために
「恵!!!!大変ッ!」
あたしが朝練を終えると、玄関から慌ててゆかりが来た。
教室に行くと、
"中岡恵は、浮気女"
と黒板に書かれていた。
皆は、あたしを見てクスクス笑っている。
誰が書いたのか、そんなの決まってる。
翔太だ。
バシッ―――
昨日あたしが翔太に殴られた音より、倍大きい音がした。
「てめえ言いたい事あんなら口で言えよ!!!!」
「はっ?なんのこと?」
とぼけた顔がさらにムカつく。
「もう、あたしに関わらないで?」