難恋



「・・・華乃じゃん。」


アイツが[華乃]という名を口にする


あたしの身体は震えていた。

こいつに対しての何故かある恐怖心…

2人はしばらく見合っていた

その時間はきっと短かったと思うけど


あたしには相当長く感じた・・・


その時靴をはくのに手間取っていた蓮汰がドアを開けて出てくる。

「悪ぃ・・・!遅くなって・・・」

といいながら。


その言葉さえもわたしの耳には入らない。

その間も一歩も動けず

身体は震え

ただただアイツをみていた


返事をしないあたしの異変に蓮汰が気付いて隣にきて声をかける

「おい・・・大丈夫か?」

隣に蓮汰が来て安心したわたしがいた


何も言わずに蓮汰の袖を掴む


「…華乃。」


そこでアイツは口を開いた

「お前さ。俺よりも大切な奴いたんだ。」



わたしは何も反論できない



怖くて…声がでてくんない…

反論しないことをいいことにアイツは言葉をわたしに突き付ける

「それで俺をもてあそんでたってやつか?あ"?…なんかいってみろよ!!!」


背筋がゾクゾクする…

怖くて…怖くて…

いまにも崩れそう…


そんなあたしの横からドスのきいた声が聞こえた

「・・・おい」


いままで聞いたコトのない…すごく低い声だった。

その声のする自分の横をみるとさっきの優しい表情ではなかった

目つきは鋭く
笑みはイチミリもない


「なんだよ。」


「てめぇ…こいつのコト考えろ…」

蓮汰…



「あ"?てめぇより俺の方が華乃との関係深いっつ-…」





ドンッ!!



こいつは最後の一言を言うことができなかった…



…なぜなら


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