難恋
あたしは一瞬なにが起こったのか全く分からなくて まだ 働かない頭を フル回転させ今の状況をやっとのことで 飲み込めた。
えっと…まずは…朝ごはん食べて…イロイロしたら時間がヤバくて…急いでドアを力一杯開けたら連汰がいて…鈍い音がして……って
「連汰ぁぁぁあ!!!」
よくよく考えたら あたしが勢いよく ドアを開けたせいで 連汰にぶつかって倒れたんだっ!!
「大丈夫!?」
えっと…ヤバい…?
このまま連汰死んだらあたし犯罪者?!
待って…この連汰がドアにあたっただけで死ぬなんて有り得ないよね?(毎日のように喧嘩してるし…)
あたしはそんな馬鹿な考えを頭に巡らせていたら…
「うぅ~…」
下からうめき声が…もしかしてっ!!!
「連汰!?生き返った?!」
思わずあたしはそんなこといっちゃった…。
「死んでねぇし」
思いっきり否定された…。
「でも逝きそうじゃなかった?」
連汰は立ち上がった。
「毎日のように喧嘩してる俺がドアに当たっただけで逝くかっつーの。」
やっぱな…
「やっぱなってどうゆう意味だよ…」
「え?!口に出してた!?」
「おぅ。思いっきりな。」
「あはは…。」
あ~恥ずかし…声だしてないよね?!
「と ところでなにしにきたの!?」
「あーお前が心配でな…。」
ズキン…
ヤバ…昨日の事思い出しちゃう…。
泣くっ…
ヤバ。
「おい…おま…泣いて…」
「っ…」
あたし泣いちゃったみたい…
最悪だな…よりによって連汰に…
いままで一生懸命涙隠してたのに…
顔を隠すために俯いた。
涙を隠すために…。
いままで男には涙を見せたことがなくて…。
だから必死に堪えた。
「華乃…話聞くか…?」
ほんとは連汰に涙なんて見せたくない。
…だけど あたしは いますぐ 誰かに話を聞いてもらいたかった…。
もらわなくちゃ…ダメ…。
連汰の優しさが胸に広がった。
そして…あたしは こくり と頷いた。