+大和恋戦+
「ちょっ…ちょっと待って下さい!何で俺が…」
訳の分からぬ展開で
話が進んでいく。
目の前に差し出された
退職金の封筒を見つめ
黙っていた。
すると浅井は
「恨むんだったら自分を恨め。このご時世に失業とはな。」
そう言い放ち鼻で笑う。
―失業―
その言葉を聞き
やっと実感した。
俺が…?
社の中で誰よりも優れた
技術を取り入れようと
毎回頑張っていたのに。
これは何なんだ?
壊した…?
…俺じゃない。
本当の犯人は目の前に
いるのに…。
今俺の事を鼻で笑い
上から目線で俺を見る。
―あいつの仕業だ。
間違いない。
だって俺は見たんだから。
「まあせいぜい早く仕事が見つかるように頑張れよ」
そう言われ社を出た。