更生は赤詰め草で
警察の人も引き上げ、綾杉家三人がいなくなり、早苗とユウジだけが取り残された。
ユウジは気まずそうに早苗に言った。
「じゃあ……帰ろうか?」
「うん」
工場跡を出て、二人は歩きだす。
「あのさ…」
「ユウジのバカ。」
「あ?」
早苗はきっとユウジを見つめて口調も荒く行った。
「バカ!バカバカ!
心配させないでよ!!」
「え、ええ?逆じゃん?それ俺のセリフ―」
「うるさい!」
涙声がまじりだした早苗を困ったように見つめるユウジ。
「すごく…怖かったんだから…由香とのこと、OKしちゃうんじゃないかって…」
「……ごめん」
素直に謝るユウジ。
早苗はまだ頬をふくらませ睨む。
「それにっ、アタシは特撮ヒーローじゃないッ!!」
ユウジはプッと吹き出し、笑いだした。
「あれは、ホントごめん」
「ごめんで済むかッ!
…後、それから…」
早苗は急に態度を改め、小さくなった。