更生は赤詰め草で
助っ人参上!
──つまらない・・
それが早苗の今の生活の本音だった。
学校に行けば怯えられるか、冷やかしを受けるか、蔑(さげす)んだ目で見つめられるかのどれか。
教師も同じようなもので、世話焼きな先生には「どうしたんだお前」といわれる始末。
──私が悪いんじゃない。何も悪くない・・なのにどうしてなんだろう・・?
ある日、またも襲撃があったときに早苗は聞いた。
「あんたらさ、何でアタシをしつこく狙ってくんの?」
彼らはニヤニヤと笑うだけで、答えない。
その中のリーダー格らしき髪に軽く赤いメッシュを入れた人が1歩前に進みでた。
──あいつ!駅前にいた奴!
そう、駅前の路地で早苗に絡んで来た男だった。
学ランであることを見れば、恐らく高校生であろうと思われる。
そいつがポケットから取り出したのは、早苗の生徒手帳。
「出かけるときまで持ち歩いてるなんて、優等生だなぁ」
からかい混じりの言葉を吐き出すと周りにいた者たちも下卑(げび)た笑いをこぼす。
「わざわざ返しに来てくれたって訳?ご苦労様」
「どうぞ来てくださいって言わんばかりに丁度よく落としてくれたもんだから?俺たちの親切心がもうウズウズしちゃって、さ。
でパシらせてみれば案外強いってんじゃねーか。それじゃぁ拾った俺みずからが行くべきじゃない?」