更生は赤詰め草で
「流石に、どんだけ強いっても一人でこの人数相手にはプロじゃない限り無理だよな」
早苗の顔のそばでしゃがみ、早苗の顔を覗き込む。
無論、あの笑みを携えて。
「あんたまだまだ遊べそうだからさ、ちょっと一緒に来てよ。」
「ッ・・」
「よく聞こえないんだけど?」
男は耳に手を当てる仕草をして、早苗の顔に近づけた。
早苗はその耳めがけて、思いっきり叫んでやった。
「誰が行くかっつってんだこのゲス!」
その声は耳に響き、数秒男の動きを止めた。
そして、立ち上がると言った。
「女の子がそういう言葉遣いはダメだよ──ねっ!」
男は早苗の腹に足を叩きこんだ。
「うっ・・ゲッホゲホ、ゲホ」
「もうちょいお仕置きが必要かねぇ・・お前ら、自由にしていいぞ」
男は輪の中からでてから言った。
「「「イエーイ!」」」
周りの者たちが沸き立ったその時だった。
「ちょっと待ったぁ!!」
早苗にとって、希望の光となる声が、降ってきた。