更生は赤詰め草で
早苗も含め、全員が声のしたほうを向く。
そこには二人の少年が立っていた。
一人は腕を組み、鼻息も荒くこちらを睨みつけている。
もう一人は呆れたような視線を隣にいる少年も含め、喧嘩の当事者たちに送っている。
彼ら二人──主に腕組みをしている少年の好奇心によってこの喧嘩の追加要員を追ってやってきた。
ちょっと覗いて終わり、とは言ったもののこの少年。好奇心も旺盛ならば正義感も旺盛で、隣の少年の制止も聞かずにこうして出てきたという訳である。
少年─ユウジはフンッと大きく鼻息をだして大きく息を吸いこみ、
「お前ら!中学生の、それも女相手にリンチってんじゃねーよ!そんなこと、通りすがった俺が許さねー!!」
と、多少語学的に問題のある言葉を叫んだ。
一拍の間をおいて、大爆笑が起こった。
中には涙を流してたり、隣にいる者をバシバシと叩くものまでいる。
自らも腹を抱えながら、リーダー格の男が二人に言う。
「君・・いや君たちさぁ?この状況わかって言ってる?
うん、まぁこの子を助けようとしてる精神はご立派だよ。だけどさ、だけどだよ?
キミタチはたったの二人ぽっち。俺たちはこの人数だ。わかるよね?どう見ても勝ち目はない。
それでもやるってんなら、存分に遊んであげるよ」
話しているうちに落ち着いてきたようで、途中から言葉にいつもの調子が戻り顔にもあの笑みが戻った。
ユウジは彼らを睨みつける姿勢を崩さない。