更生は赤詰め草で

二人の友



「着替えとタオル、此処に置いておくからねー」

「はい、ありがとうございます!」

ドアの外から聞こえた声に早苗は申し訳なさそうに答えた。

彼らが去った後、よろよろになった早苗を休ませようと、ひとまず一番家の近いヒスイの家に行った。

早苗は悪いと言って断わろうとしたのだが、泥や傷だらけのまま家に帰すことを二人は譲らず、ヒスイの家に行ったら行ったで彼の母がそれを許さず、お風呂まで借りることとなってしまった。

お風呂場を出て、脱衣場で用意してもらったタオルで体を拭いていると、用意された着替えが若い女物の服であることに気付いた。

─姉妹いるのかな?何か意外だなぁ、アイツって一人っ子みたいに思ってた

ヒスイに軽く失礼なことを考えつつ、ありがたく貸してもらった。

出たことをヒスイの母に伝えると、ヒスイの部屋に案内された。
部屋に入るとユウジが早苗を部屋に招きいれた。

「おー来た来た!ま、そこ座れよ」

「おい、ここは俺の部屋だ。」

─男子の部屋って初めてだ・・

と、変な緊張を持って座った。
< 21 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop