更生は赤詰め草で
少しの間、気まずい沈黙が流れる。
耐え切れないというようにユウジが切り出した。
「えーと、じゃあまずは自己紹介でもすっか?」
「俺に聞くな。仕切るなら責任持てよ。ま、このままだと呼ぶにも一苦労な訳だから、大して異議はないけども。
俺は2−3、絢杉緋翆(アヤスギヒスイ)」
「俺はコイツと同じクラスの松山由宇児(マツヤマユウジ)、よろしくな!」
「里山早苗、です。あの、助けてくれてありがとう」
早苗はペコりと頭を下げた。
あんな喧嘩シーンを見せておいて何も怖いことなど無いだろうと思ってはいたもののなんとなくかしこまってしまう。
考えてみればこの二人とは隣のクラスであることはわかったのだが接点が無いためにほぼ初対面と言っても過言ではない。
二人から早苗を助けたことのいきさつを聞くと、感謝する気持ちが少し薄れたのだがそれは表に出さないでおいた。
「ああ、そうだ。ホラよ、これ。お前のだろ」
話が一段落したところで、ヒスイが思い出したように見慣れた手帳を早苗に放った。
「え、これ!」
「なんだ?生徒手帳じゃん、何で?」
早苗とユウジは驚きに目を見開いた。
「そもそも、お前はこれを落とした所為であいつらに身元バレて狙われたんだろ?
もうしっかり顔と場所とが特定されてっから遅いが、けど盗られたままよりいいだろ」
早苗は頭が混乱しそうだった。
確かに手帳はとられていたが、それをどうやって取り戻したというのか。
「けど、アイツこれをポケットに入れてたよね?」
「ああ」
「じゃ、じゃあどうやって!?」
ヒスイは悪い笑みを浮かべるとこともなげに言った。
「スッた」
「「は?」」
早苗とユウジの目が、点になった。
耐え切れないというようにユウジが切り出した。
「えーと、じゃあまずは自己紹介でもすっか?」
「俺に聞くな。仕切るなら責任持てよ。ま、このままだと呼ぶにも一苦労な訳だから、大して異議はないけども。
俺は2−3、絢杉緋翆(アヤスギヒスイ)」
「俺はコイツと同じクラスの松山由宇児(マツヤマユウジ)、よろしくな!」
「里山早苗、です。あの、助けてくれてありがとう」
早苗はペコりと頭を下げた。
あんな喧嘩シーンを見せておいて何も怖いことなど無いだろうと思ってはいたもののなんとなくかしこまってしまう。
考えてみればこの二人とは隣のクラスであることはわかったのだが接点が無いためにほぼ初対面と言っても過言ではない。
二人から早苗を助けたことのいきさつを聞くと、感謝する気持ちが少し薄れたのだがそれは表に出さないでおいた。
「ああ、そうだ。ホラよ、これ。お前のだろ」
話が一段落したところで、ヒスイが思い出したように見慣れた手帳を早苗に放った。
「え、これ!」
「なんだ?生徒手帳じゃん、何で?」
早苗とユウジは驚きに目を見開いた。
「そもそも、お前はこれを落とした所為であいつらに身元バレて狙われたんだろ?
もうしっかり顔と場所とが特定されてっから遅いが、けど盗られたままよりいいだろ」
早苗は頭が混乱しそうだった。
確かに手帳はとられていたが、それをどうやって取り戻したというのか。
「けど、アイツこれをポケットに入れてたよね?」
「ああ」
「じゃ、じゃあどうやって!?」
ヒスイは悪い笑みを浮かべるとこともなげに言った。
「スッた」
「「は?」」
早苗とユウジの目が、点になった。