更生は赤詰め草で
「おい、ちょっと」
昼休み。ヒスイは大層不機嫌な声で早苗の肩をつかんだ。
ゆっくりと振り向いた早苗は、相手が誰だか認識すると、あのキラキラとしたオーラをまとった。
「あれぇ、何?ヒスイ君が私に何の用か・し・ら?」
「・・・・・・・・・・」
そのキラキラオーラをヒスイは黙殺する。早苗は輝かしい作り笑いのまま青ざめた。
一息吐き出すと、不機嫌に言った。
「はいはい、わかった。ついてけばいいんでしょ」
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「アレは何だよ?」
「演技しろって言ったのはあんたでしょ」
ユウジが言ったのと寸分違わぬ答えにヒスイはうなだれた。
「どうせやるならここまでやったほうがいいでしょ?周りも大いに間違った印象を持ってくれたみたいだし」
開き直った早苗に怒りを通り越して呆れしか出てこない。
「お前がものすごくイタイ奴だっていう印象しか植え付けられてないと思うがな」
「ヒドイ」
「事実だ」