更生は赤詰め草で

缶コーヒーを飲みながら、横目で早苗を見る。

――この人…さっきからいちいち鋭い…

早苗はそろりと距離をとる。

「…言わなきゃいけないですか?」

「別にどうでも?
ただ、タバコを吸おうとしたってのは問題あるんじゃないの」

正論だ。
早苗は手をギュッと握った。


――どうせ知らない人だし…

早苗は、かいつまんで話した。

「そんなことして面倒臭くないですか?
早く…早く大人になりたい。
大人だったら、こんなつまんないことしないじゃないですか」

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