更生は赤詰め草で
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その後、男性は人通りの多い通りに出たところでようやく早苗の手を離した。
─こんな強引に連れてこなくてもいいじゃないのさ
と思いながらも、一応は助けてくれたので相手にお礼を言って頭を下げた。
「い、いやそんなほどのことでもないですよ。・・本当は言い寄られる前にちゃんと断れればいいんですけどね。
では、僕は此れで失礼します。君も、充分気をつけてください。」
そういって男性は人ごみの中に消えていった。
家路にたってから、何だかどっと疲れが押し寄せてくる。
何かロマンチックな物語の始まりになりそうだと期待する者もいるかも知れない。
けれど早苗はこんなゴタゴタもううんざりだと思った。
しかし、その願望は粉々に打ち砕かれることとなる。