更生は赤詰め草で


でも――


葵さんのバイト先を覗いたとき、遠回りしてまで送ってくれたのは

そのままでいいと言ってくれたのは

いじめで落ち込んだ私に気づき相談に乗ってくれたのは――

――全部ヒスイだ…

そう、ヒスイも決して悪い人ではないんだ。

早苗はもう一度携帯を見る。

――私が好きなのは、どっち…?


きっと今夜、そのことにも決着をつけないといけないだろう。

どちらなのか。

早苗は揺れる思いを押し潰すようにきつく目を閉じ、ベッド横たわっていた。


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