更生は赤詰め草で
「ふざけんじゃねぇよ!んの卑怯者!」
「いじめに卑怯も何もないっしょ?」
男は早苗の前に立ち、にこやかに言う。
「それに俺たちはさ。ぶっちゃけ君はもうどうでもいいわけ」
「じゃ、放っておいてくれない?」
「残念。そうは行かないんでさ」
男は早苗のあごに手をかけ、クイと上げる。
そして早苗の耳元で声を低くして囁いた。
「俺たち今は雇われ者なんだよ。ご褒美くれる代わりにあんたを襲えってさ」
早苗は驚愕して男を見た。
男は肩を震わせて嘲笑う。
「よっぽど嫌われてんだな、俺たちが勝手にあんたを襲ったのは最初の一回だけ」
そして、さらに声のトーンを落とし、至近距離にいる早苗でさえ聞き取りにくい声で言った。
「ご苦労なこったな。
俺らにやらせるだけじゃなくて学校でもお前を─みたいだから」