更生は赤詰め草で
ハジマリ
駅前でのことがあってから数日後、変化は起きた。
早苗が下校していると、学校から少しはなれた公園の入り口でたむろしている学生がいた。
見慣れない制服──この辺りの中高校生ではないことは確か。
物珍しい視線を送って通り過ぎる。そのはずだった。
だが、そのうちの一人に腕を掴まれた。
「ちょっと待てよ。」
「何、私に用でもあるの?」
「大アリ、だなぁおい。」
「そうそう」「ヘヘッ」
─こっちはあんたらのことなんか知らないってのに。何なんだよもう・・
公園の奥、通りからは見えにくいところに連れて行かれる。
逃げ道の無いように早苗を囲む。
─此れじゃまるでリンチじゃない。・・・いや、『まるで』じゃなくて『本当の』かな
背中を冷や汗が伝う。
そして、彼らは早苗の予想通りの言葉を吐き出した。
「おい、有り金全部だせよ。」