更生は赤詰め草で
続く暗闇。
つばを飲み込む音がやけに大きく聞こえる。
それ以上に、心臓の音が胸板を激しく叩きつける音が響かないか心配だった。
一歩。二歩。
街灯の光も届かない奥へ向かう。
自分がやけに小さくなったように感じられ、胸の奥にある自分が押しつぶされそうになる。
携帯電話のライトをつけてみて、気休めにしかならないと知る。
──…怖い。けど、
「!」
暗闇の中で異常に敏感になった感覚が、その小さな輝きの差し込む先で何かが身じろぎするのを感じ取った。
早苗は少し先にあったドアに駆け寄る。
閂をはずし重いドアを出来る限りで早く勢いよく開いた。
「─!あんたらはッ…!」
そこにいたのは数人の女子。
クラスでいつも早苗を見てはくすくすと笑っていた連中だ。