更生は赤詰め草で
力を抜いた一瞬の隙をつかれた。
早苗は足を掬われ地面に倒れ、押さえつけられた。
「くっ!はな、せ!!」
「やーだよ」
岡田がペロッと舌を出して早苗の腕をとる。
早苗が動けないのを見ると、由香は早苗のところまで歩いてきて、早苗の顔を窺う。
「私ね、自慢じゃないけど結構モテるのよ。でも近づいてくるのはロクでもないのばっかり。そういうのから守ってくれる分には早苗は最高だったよ」
早苗の頬を指でぷにぷにつつき、クスッと笑う。
「でもね、ずっと一緒にいると飽きちゃったの。早苗に。だから他の人のとこに行きたかったの」
「それで、こんなことしたっての…?」
「ううん。最初はちょっと痛い目見ればいいなぁって思っただけだよ」
抵抗して土に汚れていく早苗。
由香は街灯に青白い顔を照らされている。
そのほのかな明かりで出来る影が、不気味だ。
「私は早苗の顔と通学路を教えただけ。学校で何人かにアンタがウザいっていったらみんなすぐに私についてくれたよ?
後ね…私好きな人いたの。知ってた?」
早苗はわずかに首を振る。
──そんなこと聞いたことない、初めてだ