更生は赤詰め草で
「あぁ、ユウジか」

「あぁ、じゃない!俺どんだけ影薄いんだ!」

涙混じりに叫ぶユウジを、なんだか冷めた目で見つめる早苗。

「ねぇ、由香?あんなのがいいの?」

早苗が呆れながら見ると、由香は既にぼーっとユウジを見つめている。

「こりゃダメだ…」

「んだな。」

早苗は同意した上の人物を見上げる。

「あんたは何で協力したのよ?」

「金もらったから」

「ロクなやつがいやしない…」

早苗は大きくため息をついて抜け出そうとした。

「いや、逃がさないし」

「チッ」

その時、由香が自分の世界から帰ってきた。
咳払いしてからやけくそに言った。

「とにかく!松山くんにベッタリしてたあんたがムカついたの!」

「え?俺関係してんの?」

「あんた聞いてたんじゃないのか!」

いやぁとユウジは頭をかく。

「名前しかピックアップ出来なくて…」

「ねぇ、松山くん。話があるの」

由香は、ユウジの手をとって真剣にユウジを見つめた。

ユウジの顔に疑問符が上がる。

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