更生は赤詰め草で
――マズイッ!!
早苗は直感的に思った。
由香は既に頬を染め口を開こうとしていた。
「あのね、松山くん。私――」
「わーわー!!」
由香を遮るように早苗は奇声を上げた。
由香が舌打ちをして暗いオーラを放ち早苗を睨む。
早苗はさっきの誰かさんを真似てペロッと舌をだした。
由香は縛られていた場所からさるぐつわを持ち出し、岡田に渡す。
「ちょっと黙らせておいて」
「了解」
「うわッ!ちょっと何!」
岡田が早苗を完全に押さえつけ、細長い布を彼女の顔にまわそうとした。
しかし、その手はユウジによって阻まれた。
「ん?何すんだよ」
「そんなことする必要ない!するんだったら、俺こいつの話一切聞かないからな!」
ユウジが由香を指差して言った。
岡田は由香を見る。
由香が小さく首をふると、わかったよ、と岡田はさるぐつわを放り投げた。
それを期に早苗は言った。
「ユウジ、ダメ!聞かないで!」
「黙ってよ早苗!それじゃ約束が違うでしょ?」
由香が言うと、岡田は早苗の顔を更に地面に押し付け、喋れないようにした。