更生は赤詰め草で
「ヒスイと二人でいるってことだけでもむかついてさ、たぶんそれで里山には悪いことしたと思う。でも、そんなこと思うってやっぱとられたくないからだろ?
悪いけど俺は君にはそうは思えない。
だから、ごめん」
ユウジは、頭を下げた。
「そ、か。うん。それじゃあ、仕方ないよね」
由香は、もう目を真っ赤にしていた。
早苗は抵抗をやめ、力を抜いて由香を見つめた。
鼻をすすり、涙を拭おうと手を顔に持っていく。
その手を誰が勢いよく引っ張った。
「ちょ、何?!」
見れば、手をとったのは岡田。
彼はそのまま由香の手を離さず、言った。
「何してる。ズラかるって言ったろ。お前だけ被害者ぶって俺らのことチクったりされたら困るんだよ」
「…」
「オラ、行くぞ!」
岡田は、そのまま由香を連れて走り去っていった。
突然の展開に三人は目をパチクリさせて二人の背中を見守った。
その三人に、とても楽しそうに笑う声が飛んだ。
「あらあら、あちらにも恋の予感、かしらね~」