小さな塊
「さっき………妄想してたっしょ!!」



(は?妄想じゃなくて瞑想だし………いや、他人から見たらどっちも同じか…)

「いや。妄想とかじゃな…」
「ってかさ、寝てただけ?俺さっき超近く通ったんだけど、まっったく動かないからさ~!なーんか面白くなっちゃって!」



(話を……………聞け。)


普段、話し手に回ることの多いレイが相手のペースに巻き込まれることはほとんどなかった

けど不思議と彼のペースに巻き込まれることは苦ではなかった



それは意外に、彼がニカッと笑うその顔が人の警戒心を拭い去るような特別なものだったからなのかもしれない



「で、ほんとは何してたの?」

彼はレイの横に座った


レイは、なるべく相手のペースに巻き込まれぬよう落ち着いて答えた
「ひなたぼっこみたいな…感じ?」



「そか!ちと待ってて!」


そういうと、彼はピョンと立ち上がり堤防に止めてあった車から何かを持って戻ってきた
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