小さな塊
「ねぇねぇ週末の夜とか何してんの?」

彼は息をきらしながらレイに尋ねた


「う~ん………友達とご飯行ったりだとか、家でテレビ見たりとか?たまーにクラブ行ったりとか!そんな感じじゃない?」


レイは嘘をついた。


クラブで歌を歌う人気シンガー『Ray』と、どこにでもいる派手な女子高生『レイ』

レイの中では全く区別されていた



彼は車から持って来たチラシをレイに渡しながら言った

「へぇ!そうなんだ!クラブとかたまーに行くんだ?よかったよかった!ねぇねぇ、突然だけどイベント遊びにこねぇ?俺、ダンサーなんだよね!」


(ダンサー……………?)

彼からもらったフライヤーを見て、レイはドキッとした…

ゲストダンサーとして写真まで載っている彼の横に、ゲストシンガーとして自分の名前と写真が載っていた


彼は自分がナンパしたのがあの『Ray』だと言うことに全く気づいてないようだった

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