小さな塊
両親
家に帰ると、レイはすぐに自分の部屋にこもった

両親は共働きで、夕方家には飼っている猫一匹とレイしかいない


リビングは自分一人でいるには広くて寒い気がして落ち着けない


化粧品や服で散らかったベッドの上で自分一人分だけのスペースを作り布団に小さくくるまり、自分だけの巣を作った


(ダンサーかぁ…………そういやあんましっかり見たことなかったかも)


アキラのことを思い出していた

自分にはない空気をもっている人間だった

初めて会った人に対してあんな笑顔なんて…………

それとも自分にないから特別に感じただけだったのか


レイはガバっと布団をあげ、上半身だけ起き上がった

ベッドの下のカバンに手を伸ばし、アキラからもらったフライヤーを取り出して今度は壁にもたれた


(9月6日……今週末………)



不思議な出会いだっただけにレイはいつの間にかその日が楽しみになっていた
< 14 / 14 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop