小さな塊
「ねぇねぇー!」

彼は、レイの目の前にたどり着く前に少し大きな声で話しかけてきた


レイはその場を去ろうにも去れずにただ座って彼を見ていた


彼がやっとレイの目の前に辿りつき、その大きな口を開きニカッとひと笑いしてからいった

「ねぇね、何してんの?」



(ナンパだ…………)



レイは嫌気がさした

いかなる場合もナンパされるのが嫌いだった

自分の価値が下がるような気がするからだ

そして何より自分が一番安らげるこの海辺にナンパを持ち込むなんて…………



(丁寧にお断りしよう)
レイが口を開こうとした時彼が同時に口を開いた

「ってかさ!」

レイはムッとした
(こっちが喋ろうとしたんだよ)

「なんですか?」

レイは冷たく答えた

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