白い絵の具
「私は美幸がこんなに好きなのに
何でそんなこと言うの?」
「え?」
「これじゃあ付き合ってんのか
わかんないよ!」
「は?」
「もういい!美幸のわからずや!」
私は言うだけ言うと
美幸に背を向けて走りだした。
美幸が何を考えてそう言ったのか
私には全く理解できなかった。
美幸と付き合えたら
毎日楽しいだろうなって
ずっと思ってた。
でも楽しいことばっかりじゃなかった。
こんなに辛い思いも
付き合う前は絶対にしなかった。
付き合うって複雑で難しいんだな。
後ろを振り向いても
美幸は追い掛けて来ていなかった。