愛を君に

アタシと朔の出会いは

もちろん学校


だけどね

朔は忘れてたけど


アタシは今でも覚えてるあの日の事


*******


「どうしよ…入学式遅れちゃう」


転んだ拍子にコンタクトを落としてしまったアタシは
1人でずっと探して居た


ただでさえ遅刻しそうなのに…


「おい。」


ぶっきらぼうな声が上から聞こえて顔をあげると1人の男の子が立ってた


顔がぼやけて良く見えないけど…


「あの、なんでしょうか」


「使い捨て買ってきたから早く着けろ」


え…?


「入学式におくれる。早くしろ」


「え、でも」


「早く」


言い方こそ冷たいけど
凄く優しい人だった


「ありがとう」


彼は箱からコンタクトをだすとアタシの膝に置いて

「早く来いよ」


とその場を去った


思えばアタシはあの時から好きだった


そして初めて朔をしっかり見たのは入学式の生徒代表挨拶

声で気付いたの

朔だって…

それにね階段でつまづいたアタシに朔は

「コンタクト落とすなよ」

って言ったんだよ?

付き合いだしてから核心を持ったんだけどさ…


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