愛を君に


「さく…のばーか」


涙が止まらない


良く考えたら


アタシが告白した時も

朔は頷いた後

「よろしく」

って言っただけだった


好きとは言われてない


その内…

その内、聞けるかなって考えが甘かった


全く聞けない…


あの性格だし

仕方ないって思ってたけど

違ったんだ


優しいから断れなかっただけなんだね…


「名前ですら呼ばれた事ないよ…」


楽しそうに話してたなぁ

女の子可愛かったなぁ…




アタシは笑いながら話しなんてした事ない



「朔…好き…ごめんね」


無理矢理頼んで買ったお揃いのストラップ


ぎゅっと握りしめた


無理させてごめんね


「大好き」


「なら置いて帰るな」


アタシの後ろから聞こえたのは


今一番聞きたくて

今一番聞きたくない


声だった


「さく…?」


振り向くと珍しく本を手に持ってなくて制服が乱れた君がそこに居た



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