愛を君に
「どうしたの…?」
「どうしたの…?だと?」
あれ?
「いきなり走ってどっか行ったのは誰だ」
「アタシです…」
「急いで追いかけたのに裏道なんか通りやがって」
そういえば…
「こっちから家に帰れないだろ」
はい…その通りです
「それに…何かあったらどうするんだよ」
「いくら日がまだ明るいからって人気(ヒトケ)のないとこ1人で帰るな」
朔…?
「ったく…本、読めなかった」
「ごめん…」
「そう思うなら二度と離れるな」
俯いていた顔をあげると
ぎゅっと抱きしめられた
「さ…く?」
「勉強を最初教えてたんだ…そしたら好きな小説作家の話になって少し盛り上がっただけだ」
「無理しないで…」
「は…?」
「朔…本当に好きな人のところ…もう、行っても良いよ…」
知ってるよ…朔の好きな小説作家さんは結構マイナーな人なんだよね
アタシだって全シリーズ読破したんだから
言えずに来てしまったが