愛を君に

スッと朔が離れた


やっぱり…


「…ねぇ」


「なんだよ」


「朔の好きな子ってどんな子?」


「…鈍感で頭は良くない」


勉強教えてたんだもんね

「でも笑うと可愛い」


…涙出そう

聞かなきゃ良かった


「良く転ぶし、見張ってないと危なっかしい」


「そうなんだ…」


「勘違いも良くするし意味のわからない事を良く言う」


「天…然…な子なんだね」


「天然っていうか…アホ」


「本当に好きなんだね」


勝ち目ないよ…


「まぁな…後」


もう聞きたくない…


涙が零れた瞬間


「入学式に転んでコンタクト落とすようなヤツだけど」


「え…?」


「まだあるぞ…甘いもの嬉しそうに食べるとこ。特にミルフィーユが好きなんだよ」


「告白してきた時の真っ赤な顔」



朔…


「朔…」


「何より声を聞くと落ち着くんだ」



朔の手が伸びてアタシの涙を拭う


「なんで泣くんだよ」


「だって…」


「だって…?」


「…っっいじ…わ…る」



「鈍感なのが悪い」


「…朔…すき」


「二度とバカな事を言うなよ」


「うん…」


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