愛を君に


「朔…っ」


顔を上げようとすると
朔に阻止された

「見るなよ」


「はい…」


「よし、じゃあこれやる」


朔がそう言って渡してくれたのは小さな小包


「なに?これ?」


「開けてみろ」



「あ…!昨日の!!どうして!?」


「欲しかったんだろ?」


それはアタシが昨日可愛いと騒いだ猫のキーホルダーだった


「それと、土曜日開けとけよ」


嘘っ…


「勉強の日なんじゃあ…」


「行きたくないなら良い」


「嫌だ!!行く!!行きたい!!」

朔を見ると


「…っ」


優しい微笑み


初めて見た


笑った顔…



嬉しい…


そんな風に思っていると
朔が

「帰るぞ」と言って歩きだしてしまった


アタシは追いかけながら

猫のキーホルダーに目を向ける



ん?


猫のキーホルダーが持ってるプレートには




「LOVE」





ありがとう





宝物にするね


君から貰った


愛の証を…
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