あなたの大切なもの

突然の告白

あたしはブランコから立ち上がる。
カシャンという音が鳴る。


グイッ―――


突然腕を止められた。
見ると、良紀があたしの手を引っ張っている。
いつものおだやかな目じゃない。
真っ直ぐ、あたしを見ている。

「遠野さん…」

「なっ…何? あたし帰るから…離して?」

掴まれている、腕が熱い。

「嫌や。 帰らんとって」

良紀どうしたん?
おかしいで?
いつもの良紀じゃないよ…。

「俺、遠野さんが好き」

「……え?」
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