あなたの大切なもの
急に出された刹那の名前に、おろおろするあたし。

「小城が好きなん?」

「違っ! そんなんじゃ…」

何もかも見透かしたような目で話す良紀。
慌てて否定をするあたしを、問い詰めるかのように責める。


グイッ―――


「ちょっ!」

良紀に腕をつかまれて、公園内にある休憩所につれて行かれる。


ドンッ―――


休憩所の屋根の下にある、柱を背になるよう、押される。

「痛っ!」

「俺やったら…ダメなん?」
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