あなたの大切なもの
茶色い目が、あたしを捕らえる。

「ダメとかそういうんじゃなくて―――」

「…『小城に悪いから』とか?」

図星をつかれ、うつむいてしまう。
この場所から逃げるしか、他に方法はない。

「……あたし帰る」

「帰さへん」

…無理や、あたしこんなん耐えられへん。

「離して…帰らせて」

まだ腕はつかまれたまま。
それに両手首をつかまれてる。

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