あなたの大切なもの
「『あたしが好きなんは』…誰? 小城?」

「――!? 違ッ――!」

「じゃぁ誰やねんな」

「―――帰る!」

あたしは鞄を持って、走った。

「ちょぉ待ってや!」

「ついてこんといてや!」

走った。
走った。

走って、走って、走って、走って―――




良紀から逃げた。
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