あなたの大切なもの
「遠野……」

突然刹那が、口を開いた。

「――ッ! 何!?」

「俺…今めっちゃ幸せやねんけど――」

「アホか! あたしは全然幸せちゃうわ!」

バカなことを言う刹那を、大きな声で叱る。

「ちょ…俺の話、止まって聞け――」

腕をつかまれて、体を引き寄せられる。
< 207 / 270 >

この作品をシェア

pagetop