あなたの大切なもの
視線を横に向けると、あの告白された日と同じような目で、真っ直ぐあたしを見ていた。

「お前…俺の親見たことある?」

親…? 
親って…

「あの綺麗な人? 今日見た――」

「俺…さ、母さんのほんまの子じゃないねん」

「―――!?」

え? 
ほんまの子じゃないって…?
刹那がゆっくりを語りだした。




「俺…まだめっちゃちっちゃいころ、親に捨てられてたらしいねん」

……え?
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