あなたの大切なもの
「あたし…に?」

コクンと刹那が頷く。

「入学式、友達と一緒に微笑うお前見て、なんか心が暖かくなったような気がしたねん。 クラスに行ったらお前と同じクラス。 席も近い。 めっちゃうれしくて、俺はお前が好きになった…」

「……うん」

「毎日、毎日、俺はお前に会うために学校行っとった。 こいつのためやったら、何でも出来るって思ってきた…」

「うん…うん…」

涙があふれて、止まらない。

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