あなたの大切なもの
「…刹那?」

唇を離して刹那を見ると、目をつぶっていた。
まるで寝ているように、綺麗で。

でも…寝ているんじゃない…よね?

「何…してんの? 寝てんの? 起きぃよ!」

ガクガクと揺すっても、一向に目を開けない。

「…嘘……やろ? 嘘やろ刹那! 目ぇ開けぇやぁ!」

温かかった刹那の体温。
こんなに、温かいんだよ?

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